Eテレ 「100分de名著 ブッダ最期のことば」

講師:花園大学 佐々木閑
第1回
涅槃経
釈迦の仏教=黄色い衣装をまとったお坊さん、自分で修行し苦しみを克服する道
大乗仏教=日本の仏教、外部の不思議な力によって救われる道

ゴータマ・シッダッタ
ルンビニ、王子
生老病死
苦しみの連続
29歳で出家
35歳で悟りを開く
80歳で涅槃に入る

涅槃=完全な死

輪廻、苦痛の連続
天…神の世界
人…人の世界
畜生…動物の世界
餓鬼…飢えて苦しむ世界
地獄…苦しみの世界

生死の境から逃れる
5つの世界から出ることが涅槃
涅槃に至ることが最高の喜び
煩悩を捨て去る
自己鍛錬が必要

自分中心に物事を考えると苦しみが生まれる

三代要素 
仏…ブッダそのもの
法…ブッダ教え
僧…サンガ
サンガとは…鍛錬するための4人以上のグループ→複数で支え合うことで、自己鍛錬を維持できる

ブッダ死後にサンガをどう維持するか、その方法が書かれているのが涅槃経
悟りのマニュアルがお経
ブッダは神様ではなくインストラクター的存在

信じるものは何もない、拝むものもない
自分が決めた生きがいを徹底的に追及できる組織がサンガ

サンガは現代の組織運営にも役にたつ


涅槃経
マガダ王国のエピソード
マガダ王がブッダに尋ねるヴァッジ族に勝てるか尋ねる
ブッダは勝てないと答える
組織としてしっかり成り立っているから

比丘=出家した修行僧
渇愛=欲望
アランヤ=人気のない郊外

組織が衰亡しないための条件
1会議を開く
2全員で一丸となって活動する
3法律を守る
4先輩を敬う
5欲望に心を動かされない
6俗世間の中に身を置かない
7仲間を大切にする

戒(かい)=個人の心構え
律(りつ)=集団における法律
サンガの維持のための律、メンバーがより良い人間になるための戒
この二重構造でサンガが成り立つ

電車の中でお年寄りに席を譲るかどうかは法律では決まっていない。しかし、個人の行動によってその人自身に影響を与えるものである。この行動を生み出しているものが戒。


第2回「死んでも教えは残る」
自己鍛錬を続けていく方法
苦しみを和らげる処方箋

自分自身との向き合い方

法の鏡
仏法僧に対して清らか信頼の気持ちを起こしているか
最高にすぐれた規律を身につけているか
頑張れは大丈夫だという励まし

免許皆伝を出すと権力構造が生まれる
権力争いを巡って争いが起きる

みんながそれぞれ生きがいを見つけるという組織の構造が崩れる
上に上がることのほうが価値を持ってしまう

自分で自分を判断するという原則
自分を見つめるためにできること→外との情報を絶って時間をとること
ナイトブディストが流行っている


ブッダの平等主義
仏教はカースト制度を否定するために生まれた宗教

全員平等に不幸である
布施をする意味
他の人ができないことをする

自灯明法灯明
島、灯明として生きよ
島、灯明=拠り所
自分とブッタの教えを拠り所に生きよ
教えにそって自分で努力せよ

四念処
身=肉体、美しくない、すばらしくない
受=外界からの刺激に対する感受作用、すべて苦しみである
心=我々の心、一瞬一瞬違う私である
法=この世のすべての存在要素、私の本体は無い

仏教はあくまで生きていることに苦しみを感じている人を受け入れる宗教
仏教は心の病院


第3回「諸行無常で姿を示す」
ブッタは食中毒で死んだ

マーラ…悪魔
仏教が妨害する、広まらないようにする存在
アーナンダが呆けた

諸行無常とは
一瞬一瞬にすべてのものが変化している
苦しみの原因は世の中を正しく見ていないから、現実と自分の思いのギャップが苦しみを生む
現実は諸行無常だが、それをわからない
感性を変えることで苦しみを感じないようにする

三十七菩提分法
八正道
正見…正しいものの見方
正思惟…正しい考えをもつ
正語…正しい言葉を語る
正業…正しい行いをする
正命…正しい生活を送る
正精進…正しい努力をする
正念…正しい自覚をする
正定…正しい瞑想をする
正、煩悩が消え苦しみがなくなる方向に向かうこと

「正」の反対は「自我」
我が強いと苦しみを生む

チュンダの作ったスーカラ・マッダバを食べて死ぬ
ブッタは普通の人として亡くなった

チュンダには果報がある
お布施をした

仏教の二重構造
出家修行者 目的=修行によって涅槃に入る
立派な修行の姿を見せる↓  ↑お布施をして支える
在家信者 目的=布施を行うことで果報を得る

今までの文化と違うものを生み出せる人たちは今までの文化の価値観の外にいる人たち

コニュニケーション能力が人間のすべてのように語られるが、そうではない


第4回「弟子たちへの遺言」
沙羅の木
沙羅双樹

ブッタの供養
その人が一生かけてやってきたことをどう評価するか
供養してもらえるような人生か
「死」は人生の総決算

葬式は総決算を受け止める
お通夜の意味
知人が集まって話をする、その人の人生が蘇る時間

サンガに上下関係をはっきりさせるよう
能力主義ではなく年功序列

律を時代の流れで廃止しても良い


ブッダ最期の言葉
私の教えと法律がこれからは師である。
ブッタがいなくなった後は年功序列
呼び方、先輩と新参の関係

年功序列は変な権力争いよりは良い
サンガの運営のスムーズさを大切にする、上に上がることに意味が無くなる
組織の勢力を拡張するのでなければ、それが良い

どこが定点であるかをしっかり理解する
法律はどのような目的で設定されているか、一番下の土台から積み上げて考えること

最期のことば
もろもろのことがらは過ぎ去っていく。怠ることなく修行を完成せよ。=諸行無常

スバッダ、ブッダの死を喜んだ
このような人間が出ることは当然である。
このことを書くこと

ブッダの遺言として組織運営を学ぶ


涅槃経から読み取れること
死に向かう自分のあり方
死んでいく人を私たちがどう送るか
その人の積み重ねたものを評価する責任がある

「考える時間」が大切

仏教は役に立つ