18歳の選挙権

世間の高校教育の話題はもっぱら大学への進学だったり、エリート教育だったりするわけですが、これは産業界からの要請が大学に降りているからであると認識しております。
でも、教育って別にエリート育てるためだけにあるのではないのですけど。日本という国を構成する国民が、より良く生き、国民全員が幸せな国であればいいと願います。このような話の中で、日本全体がどのような人で構成されているのかを実は多くの人は知らないのではないでしょうか。(「じゃ、お前は知ってんのか?」って言われそうですけどw「だから、今勉強しています」)
自分の目で見て確かめる。社会の問題はそのような経験から自分の中に創造されるものと考えます。
たまたま私はそれが仕事で出来る環境にあったのです。恵まれました。本当に勤務校の生徒、先生、保護者の方々、仕事に関わる全ての方に感謝いたします。

吸い上げた税金でオリンピック開こうという考えになっちゃうのはどうしてなのだろう。日本だけではなく、他の国も同じです。私は経済的に苦しい生活を送っている人たちを目の当たりにし、その様に思わざるを得ないです。そのような人たち(きっと少数派でしょう)が社会を変える力(もちろん、非暴力で)をつけていかなければならない。それが高校なのではないかと思います。

学校で勉強してこなかった人は切り捨てられ、勉強しようと努力しなかった、学校の指導に耐えられなかったのだから見捨てられて当然。という空気を社会全体が暗黙に受け入れてしまっていては何も変わらない。切り捨てられた当人も、「自分が努力しなかったのが悪い」という錯覚に陥るから恐ろしいです。

18歳に選挙権が与えられます。しかし、この選挙権の使い方を果たして今の学校教育でちゃんと学べるのか。一部の学校では主権者教育というものが行われているそうです。正直、疑問です。
本当に今の社会の現状を理解し、生きた票を投じれるようになるのか。大人だって良く分かっていないのに。
「教育はすでに出来上がった社会に飛び込む準備期間であり、学校はその訓練の場」ではない。
「すでにあなたが社会の構成員であり、社会を変えることができる」ことをもっと意識できるような環境が必要だであると思います。
今の状態で政治と自分の生活はほとんど別世界のものに感じてしまうのは無理のないことです。

スウェーデンのシチズンシップ教育はその点で私はとっても評価しています。(特に北欧はシチズンシップ教育が進んでいるらしい…。)
身近なところから自分が政治に参加できるという意識。日本の学校の生徒会選挙ではそんなもの育めないでしょ。生徒会が教員の操り人形状態なのだから(そうではないと学校もあるでしょうが)。もっと、リアリティのある政治を学校で学べないだろうか。
大人はもっと若者に耳を傾けられないだろうか。

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書