自分の行動が他へ与える影響

今日のニュースステーションにて。

「税の奪い合い?「ふるさと納税」の現実」

http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/news/detail.php?news_id=44224

 

ふるさと納税は、任意の自治体へ納税できるシステム。寄付した分の税額が納税者の自治体の住民税からほぼ全額控除されます。さらに、納額の約半分に当たる価値の礼品をもらえるという特典付き。礼品は様々ですが、その自治体の特産品などが多い様です。

例えば、自治体Aに住む人が6万円を自治体Bに納税すると、自治体Aからは住民税5万8千円が控除され、自治体Bからは、約3万円分の礼品がもらえるのです。つまり、実質納税額2千円で、約3万円分の特典がもらえるということになります。そりゃ、みんな納税したくなります。

 

しかし、このシステムで今「税金の奪い合い問題」が生じています。つまり、「目玉商品」ならぬ「目玉礼品」で納税者を釣って、税収を増やそうとしているのです。何が問題かというと、目玉礼品がない自治体の税収が減ってしまうということです。

 

例えば、際立った特産品が無い(といったら失礼ですが…)群馬県太田市では、太田市が他の自治体へ納税し得た礼品を太田市のふるさと納税の礼品としているとか。しかも、太田市民限定で募集しているらしいです。これは、財源の流出を食い止めるためにはやむを得ないことだと思います。

また、礼品の競争が激化し、より良い品物を用意しようとすることで、結果的に自治体の財源が減ることになるとか。

 

おそらく、Nステで取り上げられた自治体は氷山の一角でしょう。対策ができておらず、もっと財源が流出している自治体はありそうですね。

 

財源不足を個人の判断に委ねたことが失敗だ。財源は全体を俯瞰できる行政トップできっちり管理すべき。という様な意見を憲法学者の木村草太氏は言っていました。

消費税を8%から10%に引き上げて、税収を増やそうとしている矢先に、地方の税収を減らすような政策を国が進めている。と言うのは元総務相で慶応大教授の片山善博氏。

 

なるほど。

我々末端に生きる市民は、他への影響を考えられるようになることが大切ですね。自分の利益追求も良いですが、それによって他へどのような影響を及ぼしているのか。

今回の場合はつまり、礼品に目がくらんで他の自治体へ納税するのは良いですけど、その分自分の住んでる自治体の税収が減って、自分の生活に影響を与える可能性があるってことですね。さらに、日本全体で見れば、地方自治体の税収格差を生んでしまっていることになり、ふるさと納税者はその格差を生じさせている一人になるかもしれないと考えると、どんなにお得なふるさと納税も躊躇いますね。


とても、考えさせられる話でした。

視野をどこまで広げることができるか。

自治体レベルの市民という視野。

日本国民という視野。

海を越えた共同体(地球市民?)という視野。

 

政治や経済などの社会現象だけではなく、生態系などにも当てはまる話です。

政治家だけが、より広い視野を持ち、他への影響を考えられればいい訳ではないと思います。逆に、そのような考えを持てる人が政治家をやれば良いというのも違うと思います。あらゆる人の行動が、相互に影響を及ぼしあって社会が成り立っていることを自覚し、自分の行動に対する他への影響と折り合いをつけながら生きていくことが、「良き市民」としての役割なのかなぁ…と感じました。

 

なんて言っている自分が一番行動が伴わないのですがw

 

自分の行動は他へのどんな影響を及ぼすのか。考えてみるのも面白そうですね。